Skyer

Skyer

WeAre* ヒロインや世界観はいいのにボリューム不足

LINE

WeAre*

WeAre*」わりとあっさりとフルコンプ達成できました。
シナリオも短いのでトータル15時間ほどで既読率と選択肢が100%に。
まあこれでも自分はかなりゆっくりプレイした方だと思います。
トータル10時間を切るとかいう話も見たことがありますし。

ちなみに、今回からシーンタイトルごとにリプレイできるようになっています。
KIDシステムはまだまだ進化するつもりですかっ!?
相変わらず使いやすいシステムですよね。一度覚えてしまえば説明書いらずですし。

そんなWeAre*に関して、すべてが終わったので総合的にレビューしてみます。

夏らしく涼しげなヒロインたちは好印象

さて、ヒロインに関してですが、なかなかよかったと思います。
夏らしく涼しげな服装もさることながら、やっぱり性格もおもしろかったり。

個人的には天と柚香がお気に入りだったり。

中でもツンバカこと朝霞天が特にお気に入りでしたね。
同居していればやっぱり自然と情がうつるものなのでしょうか(笑。
シナリオが終わった今ではナイチチもバカもひっくるめて可愛らしいというか。

柚香はどこかマイメビの穂乃香さんを連想させるような雰囲気のヒロイン。
スタッフも気合いが入っているのか柚香だけイベントCGの枚数がえらく多いです(笑。
それから、エピローグにある意味すごく強烈な爆弾を抱えています(笑。
しかもそれが何となく柚香らしいと納得できるから不思議。

対してどうも苦手だったのは夏蓮さん。
何というかやっぱり年上のお姉さん系ヒロインはどうも苦手です…苦笑。
まあ、シナリオとしてはなかなかかっこいい場面とかもあったのですが
本質的な部分でちょいと自分と合わないなといった感じ。

まあ個人的に好き嫌いはありますが、ヒロイン全体としてはよかったと思います。

ヒロイン同士のやり取りも若干描かれていて、
その中では天と菊菜のコンビがよかったと思います。
何というかボケを自認している菊菜とかなりの天然気味な天とのコンビは
主人公でなくとも頭をかかえたくなるような感じですよ(笑。

二つの側面が不思議と調和している世界観も印象的

ヒロインと同様に雰囲気もかなり気に入りましたね。
雰囲気に関しては所感のレビューでも書きましたが
「緑が少ないけれど澄んだ青空を感じさせる」
「近未来なのにどこかノスタルジックに感じられる」
といったような雰囲気で今の時期たる夏にこそふさわしいような感じです。

さらにそうした中にSF的な要素を内包しているといった二つの側面が。
火星が地球の衛星軌道を回っていたり、ESP超能力を使える人がいたり
さらには謎の国家マニトと戦争中であるといったような設定が含まれています。

こうした二つの側面が不思議と融合したWeAre*の世界観は
色々なシナリオを期待させるすごくいい設定だと思うんですけどね。

ボリューム不足がすべての敗因

このようにヒロインや世界観はすごくよくできているのに、シナリオが極端に短いです。
何というかそうした部分を十分に活かしきれていないような印象を持ちますね。

ヒロインとの恋愛についても、好きになっていく過程といった様子が
あまり描かれていないような気がして、気が付いたら結ばれていたというか。
それぞれのヒロインとの日常から突然お互いが好きになりました、という感じ。

ただ、天ルートに関してのみは同居しているということもあるのか、
わりと丁寧に描かれていたように思います。誕生日イベントなんかもいい中間点。
もっともクライマックスはかなり急な展開で、無理があるような気もしましたけど。

そうしたヒロインとの恋愛のボリューム不足を
WeAre*の真実を明らかにするシナリオに充てるのであればよかったのですが
残念ながらそれもなし。思わせぶりなカミングアウトをするにとどまっているようです。

どうやら、それぞれのヒロインのシナリオは関連があるようなのですが
そうした予感を補完するようなグランドフィナーレ的なシナリオはありませんでした。

ボリューム不足ながらも構造的には優秀なシナリオ

ヒロインとの恋愛の様子や作品全体の真実もボリューム不足になってしまっていますが
シナリオ全体の構造としてはわりとよくできていると思います。

全体の構造としてはWeAre*には二つの側面がありますね。
朝霞天、神明菊菜、稲敷楓ルートは日常の象徴的なシナリオ。
笛吹詩忍、藤岡夏蓮、熊野柚香ルーは戦争の象徴的なシナリオ。

こうした日常と戦争という二つの側面がシナリオの構造として挙げられると思います。
この二つの側面は世界観にも似たようなことが言えて、
澄んだ青空の下での近未来ノスタルジック世界観をベースとしたシナリオと
火星の軌道やESP超能力といったSF的な戦争世界観をベースとしたシナリオ。
こうした二つの側面からWeAre*全体が描かれているように思えます。

まあ誰のシナリオのしろ、表面的な部分では戦争による影響を恋愛の障害として
位置づけていますが、シナリオの核となる部分では確かに二つに分けられるかと。

それから、何となく構造的にそれぞれのシナリオが関連しているように思えます。
もっともそれを統括するようなグランドフィナーレ的なシナリオはありませんでしたが、
すべての真実を明らかにして、解決させるようなシナリオは展開可能だったと思います。

先代の偉業が強すぎた?

プレイにかかった時間など数値的な面でも実際にボリューム不足だと思いますが
それ以上にボリューム不足を感じさせた要因は世界観を活かしきれなかったためかと。

ヒロインとの恋愛の過程が十分に描ききれなかったという点に関しては
何だかんだでヒロインが可愛らしければ問題ないようにも思えます(笑。

ただ、SF的な世界観を活かしきれなかった点については
自分自身とある作品とどうしても比べてしまうからなのかもしれませんね。

とある作品とは同じKIDから何年か前に発売された「Ever17」
はっきり言ってシナリオ的な面で見れば、未だ自分の中では最高の作品です。
シナリオにやや中だるみ的なところがありますが、
グランドフィナーレなんかは鳥肌が立つほどに緻密に計画されたフィナーレですよ。

そうしたほぼ完璧とさえ思えるような綿密なシナリオの出来が過去にあったからこそ
今回のWeAre*もEver17のようなシナリオを期待してしまったのかも。

同じKID作品モノクロームとの比較

ボリューム不足という点を除いて考えれば
WeAre*のようにすべてはつながっていると思えるようなシナリオの作品は
いくつか思い浮かびますね。「モノクローム」や「マイメリーメイ」なんかがそんな気が。
もっともマイメリに関してはマイメビで補完されているのでいいと思いますけど。

WeAre*と似たところではモノクロームがあるように思えます。
モノクロームもボリューム不足という感じではなかったのですが
WeAre*のように世界観を活かしきれなかったかなと思える部分も確かにありましたね。

雰囲気はまるで違うけれど、どこか似ていると思わせるような何かがあります。
思わせぶりなサブキャラが出てくるところとかまるで同じですし(笑。

WeAre*を総合的に見てみると

WeAre*は全体としてはやっぱりボリューム不足な感はいがめないものの
ヒロインや世界観などはなかなかよかったと思います。
まあだからこそ物足りないという感を抱かせたりもしますけど。

何にせよSF的なことを考えなければ
ヒロインとの日常パートは短いながらもかなりおもしろいです。
中でも個人的にはやっぱり天のいる日常が何だかんだで楽しいわけで。

見方によって評価が分かれるところですが、
朝霞天をはじめとしたヒロインと近未来ノスタルジック的な雰囲気という点において
個人的にはなかなかよかったと評価したいと思います。

ただ何せよ、ボリュームが短すぎるっ!という点においてのみ残念ですね。

2006-08-06 (Sun) | COMMENT (8)

COMMENT

LINE

考えてみると難しい世界観ですからね。

ソフマップ行って来ましたよ。大阪の。安いんで思わず4本買ってきてしまいましたよ。パソゲー。よつのは、TH2、おとボク、D.C。さてさて、故郷に帰ったら何からやれば良いですかね?

2006-08-06 (Sun) | 赤い巨人殖装

確かに難しい設定のような気もしますけど
だからこそシナリオに工夫しがいもあるとも思うんですけどね。
WeAre*はもうひとがんばりすれば、すごくいい作品になると思います。

さて大阪では色々買ってきたようですね。
個人的にはToHeart2は色々と楽しめると思います。
PC版XRATEDのようなので、ミニゲームも付いていることですし。
「どきどきパニックライブラリー」にはえらくはまった覚えがあります(笑。
何にせよ、愛佳かわいいぞっ!笑

2006-08-07 (Mon) | 朝凪優

 雰囲気や世界観が良いというのは完全に同意です。私も青空と海の鮮烈な"夏"のイメージに惹かれたクチですし。HPの情報から見るキャラクターも魅力的そうで、買う前から思い入れ満点になってました。

 でも、正直な感想はボリューム不足というだけではなくて、シナリオ全体が不満な感じです…Web小説がとてもよかったので期待していたんですけれど、本編では小説のテーマを希釈しただけみたいな印象でした。
 キャラクターの性格もだいぶ小説と違っています。Web小説の優弥や天、柚香はまさにツボだったのに…
 せめてWeb小説の質でシナリオを書き直してくれたら、もう一回買ってもいいのに。

 各シーンの関連が少なかったり、個別ルートに入るとほとんどのキャラが舞台からしりぞく構造ももったいないです。
 "夏"のイメージについて触れましたけど、本編ライターさんの文体からは夏に対する否定的イメージばかり感じられてちょっと残念でした。

 文句ばっかりですけど、思い入れが強かっただけにこれで終わるかと思うと…

2006-08-08 (Tue) | Windell

> Windellさん
はじめましてですかね、管理人の朝凪優です。
発売前から思い入れが強かったのは自分も同じです。
その分本編の短さが残念でなりません。

web小説に関しては自分もなかなかよかったと思います。
そして確かに柚香なんかは性格が本編とずいぶん違うような気もしますね。
ただそれでもその他のヒロインに関してはそんなに違和感はなかったですけどね。

個別ルートから対象のヒロインのみを中心としてシナリオが進むのは
ゲームの性質上仕方ないのかもしれませんが
やっぱりヒロイン同士の掛け合いなんかも見たいですよね。
それこそEver17のような一致団結?があるとすごくよかったかも。

夏のイメージが否定的なのは言われてみてなるほどなぁと思いました。
ただそうした否定の象徴として天や優弥が夏バテ気味になっている様子は
わりと楽しかったですけどね。
逆に楓なんかは夏を肯定的にとらえているような感もありました。
そして何よりセミのSEが夏を際だたせていましたよね(笑。
逆にそうしたSEばかりでBGMのない場面も目立ったような…。

2006-08-08 (Tue) | 朝凪優

>朝凪優さん

 あ、ごあいさつが遅れまして。はじめまして。
思い入れと無念を共有してくれる方がいて安心しました。

 web小説のヒロインに関しては言われてみると、確かに柚香以外は違和感がないかもしれないです。
天の場合は性格というよりは優弥との関係性がまるで違うという感じかも。
付属のドラマCDも聞いてみましたけれど、小説とCDの方が、本編よりも2人の掛け合いが微笑ましかったです。
憎まれ口をききながらもさりげない思いやりがある…というような。
でも柚香と優弥の性格が本編と小説で別人。これだけは譲れないです。

 あと、楓は確かに夏を肯定的に捉えていましたね。このあたりはまあメリハリがあるといえなくもないですけど。ルートによっては室内引きこもりのパターンがあって、閉塞感があったから「否定的」と感じたのかも。

2006-08-09 (Wed) | Windell

本編とweb小説の違いとして
シナリオ全体が一人称か三人称かというのもありますよね。
こうした部分が差異を意識する理由のひとつかもしれません。

天と優弥の関係で言えば優弥はわりとデレ期かと(笑。
そういう点では点と優弥のやり取りはほぼ理想型でしょうか。
何にせよ二人の掛け合いはなかなか微笑ましいですよね。

いい点悪い点色々と感じるところもありますが、
それだけWeAre*は潜在的な可能性を持っていると思います。

2006-08-10 (Thu) | 朝凪優

 ほかの方のページのコメント欄を、延々とご意見板と言うか議論の場みたいに使うのは少し申し訳ないので、この件でここに書くのは最後にします。…って当たり前か。

 1人称と3人称についてはそうですね。私もあんなに変わるものなんだ、とびっくりしました。1人称の文体を効果的に使う作家さんもいるけれど、書く人によってどっち向き、というのがあるのかも。

 しつこいようですけれど、私はWeb小説のストーリーの方が好きです。あの限られた長さの中で適切にテーマが提示されていて、掛け合いも楽しくて雰囲気が良く、しかも本編に期待させる作りになっていたと…ほめ過ぎですか?
 私の個人的な感想だと(違う感じ方もあると思います)、本編はボリュームだけでなく密度、雰囲気や質でもあれに及んでいなかったような気がします。なのであのクオリティでシナリオをリメイクして欲しい!なんて実現不可能なことを妄想したりしてしまいます。

 勝手なことばかり書いてしまいましたが、たくさんある長所が総合的な評価に結びつかないだけに、その長所を良く理解されている方と意識を共有したかったのかも。少しすっきりしました。長々と失礼しました。

2006-08-11 (Fri) | Windell

いえいえ申し訳ないなんてとんでもないです。
積極的にコメント欄を使っていただいてかまいませんし、むしろ大歓迎です(笑。
結果としてコメントがボリュームのある内容になった場合には
新しいエントリーに還元するなど色々と発展させることもできますし。

web小説に関しては自分はどうも三人称という点については
他人行儀な気がして本編のような一人称がいいと思いますけどね。
それでも天シナリオなんかは菊菜や楓も含めてぎやかに楽しめる内容でした。

三人称でもこうしたおもしろさを出せるのは
潜在的なクオリティの高さのなせる業なのかも?
web小説のクオリティが高いとうのは
こうした点にも表れているといったところでしょうか。

web小説と本編を含めて総合的にレビューしてみるのもおもしろそうですよね。
機会があれば新しくエントリーを書いてみようかと思います。

2006-08-11 (Fri) | 朝凪優




 

Skyer

CONTENT

  • TOP PAGE
  • ABOUT
  • REVIEW
  • LOG

WEB CLAP

WEB拍手お待ちしています

SEARCH

COUNTER

TOTAL CT ( T TC / Y YC )

Skyer