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遥かに仰ぎ、麗しの 八乙女梓乃: かけがえのない友情も

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長らくプレイしていた 『遥かに仰ぎ、麗しの』[AA] もついに終わってしまいました。
最後をかざるのは本校系ということで、八乙女梓乃ルートをクリアしました。

改めて考えると、プレイにトータル60時間ほど費やしていましたよ。
単純に計算して、ヒロイン一人のルートに10時間ほど。
自分はわりと遅い方なのですが、それでも十分すぎるボリュームだったと思います。

今回の梓乃ルートも、やっぱり本校系はいいなぁ、と感じさせるシナリオでしたね。
個人的には本校系を最後に回して正解だと思いました。

梓乃ルートを終えて全ヒロインルートをクリアしたわけですが、
全体的に見ても自分は明らかに本校系寄りだなぁと思ったわけです(笑。

そんなわけで、ラストとして梓乃ルートをレビューしていきます。
いつものようにそれなりに深く書いていきますのでネタバレにはご注意を。

さて、ヒロイン梓乃についてですが
最初の方では対人恐怖症の影響で怖がってしまいまともに会話すらしてくれません。

とは言え、そんな境遇ながらも親身になって接していくにつれて
恐怖症を抱えながらも頼ってきてくれるようになります。

そんな身体に根付いた対人恐怖症を抱えながらも
主人公と一緒にいたいがために、その恐怖症を克服しようとがんばっていく姿には
応援したくなりますし、何より心打たれるものがあります。

そんな中で見せる照れた様子や笑顔を見せてくれたりする様子は
素直さや純真さも伝わってきて惹かれていくものがあったりしますね。

そして何よりヒロイン視点でシナリオ進むことが多かったので、
梓乃をより身近に感じることができて、親近感のようなものも感じることができました。

ところで、梓乃とは直接は関係ないのですが、
今回のルートでは三嶋鏡花がすごくいい感じでしたね。

本校系ヒロインはすごくいい子たちが多いので全体的にも好感を持っているのですが
中でもサブヒロインながらも鏡花には特に惹かれていたように思います(笑。

要するに、鏡花に惚れたっ!笑

ただ頭がいいというだけでなく、ユーモアもしっかり備えていて
冗談を瞬時に解釈してくれてうまく切り返してくれるというノリがすごく心地よかったです。

みやびルートでも鏡花にまつわる心動かされるシナリオがあったりと、
サブキャラにしておくのが本当にもったいないほどに魅力的なヒロインだと思いましたね。

さて、今度はシナリオについてですが
先ほども書いたようにヒロイン視点が多かったというのが今回のルートの特徴だと思います。
それこそ全体的に見てむしろ梓乃視点の方が多かったんじゃないかと思えるくらいに。

主人公視点はもちろんのこと、ヒロイン視点についても重視されていたために
主人公とヒロイン両者の心情を理解することができて、
第三者的に行方を見守ってあげたくなるような感覚で進められたような気がしました。

直接誰かに感情移入していくといったシナリオももちろんいいですが、
こうした第三者的に見ているにもかかわらず二人から目を離せずに応援したくなる
といったシナリオのスタイルもなかなかいい感じだったと思います。

今回のシナリオはいい意味で変わったスタイルのシナリオでしたね。

そして、もう一つ特徴的だったのが序盤の梓乃視点がやや回想気味に語られていたこと。
序盤での梓乃は、やや黒い感情に動かされて陰険な手段を講じたりするのですが、
それを克服した後の穏やかな感情の中での回想とすることで
梓乃を単なる悪者にしないような配慮をしていたといった印象を持ちましたね。

こうした回想スタイルは終盤の主人公への告白にも活かされていて、
梓乃の黒い感情さえも結果として好意的なものとして描けていたと思います。

もっとも、梓乃のそうした陰からのイタズラは、デフォルメカットインにもなっていたりして
むしろ可愛げのあるほほえましいものといった気もしましたが(笑。

そうしたイタズラも、結局主人公は気づきませんでしたが、
第三者的に見ると放っておけないなといった気にさせていたように思います。

そして今回のルートでは、梓乃自身の他人に慣れていく様子にも触れているので
どのルートよりも友だちといったテーマが大切に描かれいるように思います。

対人恐怖症だった梓乃がクラスメイトたちの輪に入っていくことで
その中に楽しさや自分の居場所を見つけていく様子も丁寧に描かれていましたし
何より殿子をはじめとした仲間の優しさがすごく暖かく感じられました。

そしてそうした仲間と過ごしていく中で
にぎやかさや楽しさが感じられ、いい意味で笑いの絶えないシナリオだったと思います。

「………梓乃、良い友達を持ったな」
「はいっ。大切なお友達です」

だからこそ、こうした主人公と梓乃との会話もすごく重要であったように思います。

主人公と梓乃とのシナリオであるだけでなく、
クラスメイトたちの友情も丁寧に描いていく様子はすごく好印象だったと思います。
何より梓乃視点が多かったからこそ、そうした仲間の優しさをより身近に感じられました。

主人公視点と梓乃視点とをクロスさせながら描かれていった今回のシナリオは、
すごく効果的でシナリオ全体をよりよいものにしてくれていたと思います。

2006-12-18 (Mon) | COMMENT (2)

COMMENT

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>コメントの位置よりも、むしろコメントしてくれること自体に感謝です(笑。
今回はこちらの方に纏めレスなど…(苦笑)
まぁ、私もですが、コメントって貴重な意見ですから(笑)
その気持ちは良く分ります。

>色眼鏡越しのシナリオを見てしまう部分もないとは言い切れませんが…苦笑。
そういいつつも、何故かと言う部分に気がついてる訳ですから納得は出来るのではないでしょうか(苦笑)
純粋なシナリオとしてみたときに、この作りは絶賛されるのではないかなーなどと思うわけですが、これに個人の好みを入れるから評価が上下に分かれるのだと思います。

>個人的には本校系が好きな人はマイナス寄り、分校系が好きな人はプラス寄りの評価にわかれるような気がします。
私は、この作品の本校・分校に関して”比べる”という行為は意味を成さないと思っているのでその面から言えばまた別の立場になるのでしょうか(苦笑)
好きなルートは邑那と殿子と、混じってますし(笑)


梓乃編、お疲れ様でした。
みさきちの”広さ”に対してしのしのは”深さ”に寄った展開だったのではないでしょうか。…と見ています。
対人恐怖症を克服する切欠が、邪な行動からだと言うのもこの話の一つの要素ですね。

>ヒロイン視点が多かったというのが今回のルートの特徴だと思います。
キャラの性格上、メインをヒロイン視点に持ってくるのが良かったのでしょうね。
実際に私もそうしたことで惹き込まれましたし。
前半は視点を交わしながら違う時間を描いた訳ですが、後半は視点を切り替えつつも同じ時間の視点を描くのは反則的に良かったですね(笑)

で、プレイが終わって思い返してみると、殿子と梓乃とでは展開スタイルって言うのですかね…感じが相反するように受け取れるんですよね(良い意味で)
キャラ達同様、シナリオも”梓乃は殿子のため”に、”殿子は梓乃のため”にある様に見えてきます。
私見では有りますが(^^;;

それらはおいておいて…個人的にお祖父さんとお祖母さんが最高でした。
ラストの落とし方も良い感じだったので、”楽しめました”ねー。
…そう言えばこの両親との仲も殿子と梓乃では反対ですね。


やはりこのゲームはプレイする順番によって”楽しみ方”が変わってきますねー。

2006-12-19 (Tue) | wind_summer_t_will

> wind_summer_t_willさん
おおう!?コメントの長さにちとびびりました(笑。

邑那ルートに関しては、それらしい理由があったとは言え、
やっぱりヒロインがどうにも好きになれなかった影響は無視できないかと。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ほどではないにしろ、少なからずそうした面もあったので
ちょっとした自己嫌悪と反省をこの場で(苦笑。

そういえば、ゆのはなに関してもいい作品ながら
ゆのはの守銭奴っぷりは人を選ぶとか話も聞いたことがありますね。
ヒロインが多様化してきたことによって、
少なからず好き嫌いは出てきてしまうんでしょうね。

むしろそうした考察をできたあたり邑那には感謝すべきですか(笑。

シナリオに関しては、自分はお気に入りのヒロインもルートも本校系でしたね。
そういった点ではどうしても思考も本校系に傾いてしまいそうですが(苦笑。

確かに比べるという行為はライターも違いシナリオのあり方も違うので
意味をなさないかもしれませんが、
人気投票なんかがあれば誰が一位になるかなどけっこう興味があったりします(笑。

さて、梓乃ルートについてですが、
「みさきちの”広さ”に対してしのしのは”深さ”」というのは確かにその通りですね。
自分は「友だち」という視点から特にそうしたものを感じましたね。
美綺は誰とでも仲良くなれて、調査団なんてにぎやかなことが率先してできる、
梓乃は友だちは美綺ほど多くないけれど
本当に梓乃のことを想ってくれる大切な友だちがいる、
(殿子だけではなくクラスメイトも含めて)
そしてそうした面がそれぞれのヒロインらしさをよく表している気がします。

「”梓乃は殿子のため”に、”殿子は梓乃のため”に」
というのがすごく気に入りました(笑。
何というかまさにその通りではないかと。そしてだからこそ二人は親友なんでしょうね。
何というか背中合わせに並んだ二人というのが目に浮かぶような気がします。
(もちろん目を合わせたくないとかそういう意味ではなくて)

梓乃ルートのエピローグではおじいさん、おばあさんもなかなかよかったですが、
個人的にはそれ以上にみやびの「うっかり逆玉男」の方が印象的でした(笑。

プレイする順番という点はあまり考えていませんでしたが
少なくとも殿子ルートと梓乃ルートは続けてプレイするのがいいと思いましたね。

もっとも、自分の場合は
みやび→栖香→殿子→美綺→邑那→梓乃
という何ともわけわからない順番だったわけですが(苦笑。

2006-12-22 (Fri) | 朝凪優




 

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