プリミティブリンク: ファンタジー設定が今ひとつ?
遅ればせながら 「プリミティブリンク」 の全体的なレビューです。
全てのヒロインについてのレビューは終わっているので
今回はトゥルールートを含めた設定など全体的な部分について書いていこうと思います。
プリリンにはヒロインルートの他にトゥルールートもあるのですが、
基本的にはゆめルートの続きといった感じ。
というか、ゆめルートがあのまま終わっていたら暴動すら起こりかねませんよ…。
もっともそのゆめがほとんど出てこないのはある意味かわいそうですが…w
トゥルールートは位置的にはゆめルートの続きになっていますが
恋愛的な要素はほとんどなく、むしろ全体的なファンタジー設定の補完といった感じ。
まあ、そんなわけなのでゆめもほとんど出てこないのも仕方ないのかも。
プリリンのファンタジー設定に関しては今までずいぶんと中途半端だなと感じていましたが
このトゥルールートである程度は解決されていると思います。
もちろん、ある程度であって、未だに謎が残る部分も多々あったりするわけですが…w
いずれにせよ、このトゥルールートを迎えるまでは
とにかくほとんどが中途半端というかいい加減に設定を繰り広げるので
途中で投げ出したくなるのも仕方ないというか…。
トゥルールートになってやっとある程度の謎が解決されるといった感じ。
むしろ、トゥルールートにここまで収束させられると
今までの個別のヒロインエンドがえらくぞんざいなものに感じられてしまうような…。
さて、シナリオの流れとしてはゆめがいなくなったことで
それなりにみんなのまとまりがよくなってシナリオがスムーズに進むかと思いきや…。
主人公のあまりのヘタレっぷりに軽く殺意が…w
トゥルールートに限って言えば、主人公の存在意義がそもそもなかったような気が…。
あるいは主人公にリーダーらしさといったものを付与すればよかったのかもしれませんが
少なくともそんな気迫はまったくと言っていいほど感じられませんでした。
シナリオの構図としても、みんなの役割をあえて明確に分担していましたが
それよって主人公の惨めさがより目立ってしまったようにも思えます。
そもそも、そこまで明確に役割を分担されると
みんなで何かを成し遂げるといったものとは違うものになってしまうような気も。
どうにも今回のトゥルールートは理屈っぽい堅苦しい内容になっていたような気がします。
主人公もろもろをもう少しこうさわやかな感じに描いてほしかったなぁ、と。
さて、重視されていたファンタジー設定についてですが
これらのトンデモ設定はわりとおもしろかったと思います。
確かに設定としてそれなりに考え込まれているなぁと思いましたが
だからこそ気になる根本的な問題も…。
そもそも、魔法っていったい何だったの?
プリリンの大前提として全てが魔法ありきのもとに話が進められてきましたが
その魔法の意義がまったくもってなかったというのは…どうなんでしょう?
個人的には、もっと魔法といったものを前面に押し出してほしかったですね。
OPムービーでゆめが使っていたような迫力あるかっこよさを期待していたのですが
どうにも魔法は二の次のような扱いを受けていたような気がします。
何というか、力を入れるところ間違ってない?と思ってしまいます。
しかも個人的には解決されると期待していた六花ルートでの真実についても
まったくもって明らかにされなかったですし、考察するにも材料が足りませんよ…。
いいところはちゃんとよかったと思います。
ただ、それを引き立てるための要素が十分でないと思いました。
特に設定部分に関しては、広げたわりには中途半端すぎるのもどうかと思いましたね…。
シナリオの中盤で感じる中だるみっぽさを超えた先に得られるものが
進めてきたシナリオに見合うものかというと、それにはさすがに疑問が…w
全体的に説明っぽい部分が多くて、途中退屈と感じてしまったりするわりには
せっかくそうした説明で展開してきたことを十分に消化しきれていないように思います。
それならばいっそなかった方がよかった…とまでは言いませんが
もう少しコンパクトにまとめるか、もう少し練っていくかの方向性はあってもよかったかも。
個人的に○か×かと言われれば○ではありますが、
だからこそもう少し練ってほしかった部分もあるのは事実。
そんなプリミティブリンクでした。
ちなみに、OP、ED主題歌の 「Eternal Sky」 と 「Love Song」 は
個人的にどちらもすごく気に入っていますw
2007-02-24 (Sat) | COMMENT (0)