FORTUNE ARTERIAL Vol.04 悠木かなで
さて今回は 「FORTUNE ARTERIAL」 より悠木かなでルートについて。
悠木かなでのヒロイン像
かなでは気さくで明るくてこちらまで和んでしまうような雰囲気がいいですよね。
お茶会なんかをはじめとして場を暖めるムードメーカーといった感じです。
それだけに第一印象も好感触でまず始めにクリアしたヒロインだったりするわけで。
体験版は未プレイだったのでヒロインの声を聞くのは初めてだったのですが
正直なところかなではもっとキンキンした声だと思っていました…ｗ
ところがふたを開けてみればただやかましいというわけではなく
明るさもあり優しさもありといった印象だったのでいい意味で期待を裏切られましたよ。
少し舌っ足らずなところもまたかなでらしいですよね。
そんな優しさもありますが、やっぱり一番はその元気のよさにあるわけで
何というか 「突撃副会長」 と並んで 「突撃寮長」 の称号を持っていてもいいような？ｗ
個別ルートに入ってからは何というかホントかなでさん可愛いよ状態ｗ
とにかく陽菜を立てようとするかなでの健気さに心打たれるものがありましたね。
こういったところにお互いを大切にする悠木姉妹の温かさを感じます。
まあその大切にしようとする気持ちにすれ違いがあったのは皮肉ではありますが…。
かなでは恋人というよりは友達という感じなのかなと思っていたのですが
実際のところは女の子らしい面をたくさん見ることができるわけで。
水着シーンが出てきたのはホントぐっじょぶというか何というかｗ
華やかさという点では瑛里華や陽菜には及ばないのかもしれませんが
スポーティなスタイルのかなでも可愛らしいなぁと思うわけで。
水着とビーチボールのイベントCGはなかなかによかったと思いますよ。
そして裸エプロンに代表されるような甘えん坊っぷりは何というかもう…ｗ
何というか年上とは感じさせない可愛らしさがありますよね。
怒られそうな気もしますがむしろちっちゃいからこその可愛らしさというか。
そういった可愛らしさはかなでの声色によるところが大きいような気もします。
少し舌っ足らずでありながらそれ以上に優しさを感じられるかなでの声は好きですよ。
かなでと歩む散り際の美学
さて、かなでシナリオ全体としてはなかなかよかったと思います。
途中までは生徒会や瑛里華などの吸血鬼がらみのインパクトが強すぎたために
かなでルートの悩ましいまでの 「普通」 に物足りなさも感じたこともありますが
後半に入ってからはそういった物足りなさはまったく感じませんでしたね。
でもまあ吸血鬼がらみの話がまるで関わってこなかった点を見れば
かなではやっぱり本筋からそれたヒロインなのだと痛感させれらてしまいます。
「夜明け前より瑠璃色な」 の時と違って吸血鬼という話は
本来は隠すべき話であるがために、ごく一部にしか明かせずに
本筋から逸れたヒロインは仲間はずれにせざるを得ない苦悩というか…。
このあたりはフィーナが月の姫様だという事実が公然だったときと比べて
ヒロインもといキャラたちの団結度の違いを感じたりもしました。
まあそんなわけで確かに吸血鬼にからんだ話ではなかったのですが
それでも雰囲気を特に大切にしていてかなでらしさも伝わるいいシナリオだったかと。
本筋から逸れていたのかもしれませんが、十分に納得のシナリオでした。
ボリュームに関しても多すぎず少なすぎずといったところ。
その適度さもよかったなと感じさせるところがあるような気がします。
全体を通して一本の筋の通った 「穂坂ケヤキ」 にまつわるシナリオだったわけですが
何というか 「散り際の美学」 というフレーズを思い出したりしましたね。
個人的にはこの手の話はホント弱いので、私にとっては涙を誘うシナリオでした。
ちなみに 「散り際の美学」 というのは私が時々引用する文学上のセオリー。
本来は満開の桜が散りゆく様子が儚くも美しいというやつなのですが
「もののあはれ」 のような様々な場面で感じ入るものではないかと思います。
今回のシナリオでも伐採のセレモニーでの一幕や
ケヤキに 「さようなら」 ではなく 「ありがとう」 と声をかける様子なんかに
儚いながらも感動できる美学があったように思います。
そんなかなでシナリオですが、そもそも穂坂ケヤキを通して
かなでと一緒に何かを目指すという基本構図が特によかったのだと思います。
もちろんすれ違いなんかも中にはありましたが、
必要以上に重いものにせずに暗さの配分も適度なものだったかと。
そしていつもかなでと一緒にいるからこそその明るさに癒されたりもしましたね。
確かにごくフツーのシナリオだったのかもしれませんが
それだけに純粋に感動できるいいシナリオだったと思います。
かなでの可愛らしさもありシナリオの筋も通っていたりと十分納得できるシナリオでした。
更新後記
まとめページにてほかのレビューも公開しています。
» [ FORTUNE ARTERIAL まとめページ ]
2008-02-23 (Sat) | COMMENT (0)
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