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穢翼のユースティアレビュー 前編

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オーガストより発売された「穢翼のユースティア」のレビューです。

※追記 / 前編と後編に分けましたのでまとめておきます。
» [ 穢翼のユースティアレビュー 前編 ]
» [ 穢翼のユースティアレビュー 後編 ]

さあ書くぞと机に向かって一気に書き上げたのはいいですが、
思いのほか文章が長くなってしまったので前編後編に分けて掲載します。
しばらく執筆していませんでしたが、思い立てば何とかなるもんですね。

そんなわけで今回は前編ということで。
世界観やシナリオ構成について語ってみようと思います。

激しくネタバレしまくっていますのでご注意を。

 

書き始める前に混乱しそうなことはあらかじめ整理しておきます。
この4つの項目について頭に入れておいていただけるとスムーズに読めるかと。

1. 穢翼のユースティアの略称は「ユースティア」
2. ヒロインのユースティアを表すときは愛称の「ティア」
3. ヒロインのイレーヌを表すときは本名の「コレット」
4. 聖女イレーヌと表したときは聖女システムの枠組みのこと

それでは、思ったことをつらつらと書いていきます。

 

まずは外観の部分たるシステム周りから。

システム面については特に不満もなくよくできていたと思います。
テキストアドベンチャーらしくほどよいカスタマイズ性、このあたりはさすが。

そして解像度が1280×960と少しずつ高画質化してきていますよね。
自分のモニタが4:3なので黒帯ができてしまうのはまあしょうがないか…。
もはやワイドに取って代わられるのも時間の問題でしょうね。
最近は800×600以外の作品もだいぶ増えてきたようですしね。

確かに今売っているモニタって全て16:9ですよね。4:3なんて見かけない。
絶滅寸前だったときに買った20インチの4:3モニタもそのうち役目を終えるのかな…?

 

さて、次に肝心のシナリオやヒロインについて。

発表時からその世界観がオーガストの新しい試みだと言われていましたが、
実際には世界観だけではなくていろいろな試みがあったように思います。

今までのオーガストからは違っていたなぁと感じられるところを
主だったところで書き上げてみるとこんな感じですかね。

1. ダークな世界観
2. 主人公がボイスつき
3. シナリオが一本線に集約

 

ダークな世界観

それこそ発表時からいろいろ意見が交わされていますが
今回の作品を見る限り、そんなに悪くなかったように思います。

まあフォアテリの頃から吸血鬼シナリオもややダークではありましたが、
今回はそれを日常シナリオも含めて荒廃的に描いていましたね。
娼館を経営しながらスラム街を牛耳るマフィア、これだけ聞くとかなりアレですよね…。

プレイ中に何となくデジャブを感じていたんですが、
改めて考えるとTYPE-MOONの作風にずいぶん似ていたように感じます。

ただ一応オーガストとしてもティアで保険をかけているんでしょうか?
エリスを筆頭とした冷めた諦観漂う雰囲気の中でひたすら明るいヒロインの投入。
ティアの存在が良くも悪くもオーガストらしさを感じさせます。

 

主人公がボイスつき

概ね良かったんじゃないかと思います。
さすがにHシーンまでボイスありだと萎えるもいいところですがそこまではなかったし。
まあシーン前の導入に至るカイムの甘いささやきなんかは背中がぞわーとかしましたがw

感情移入云々の問題もあるかとは思いますが
端から聞く会話にテンポができるのでゲームとしては楽しめましたね。

 

シナリオが一本線に集約

オーガストに限らず他にもあまり見ないようなシナリオ構成でしたね。

フォアテリの頃はグランドルートに値するシナリオを
ある意味割り切って序盤からまったく異なるシナリオとして展開していましたが、
ユースティアはその究極形とでも言えるようなシナリオ構成。

各ヒロインルートも全て一本の物語に集約させて、それをもってグランドルートとする構成。
ティア以外の各ヒロインのエンディングはその物語からの派生、ある意味パラレルワールド。
ティアエンドを作品そのものとしてのエンディングに位置づけていた様子。

下知識なしにプレイした人はいきなりフィオネルートになってしまったと
勘違いしてとまどうことも多かったのではないかと。
まあ自分の場合は雑誌である程度下知識があったので冷静でしたが。
それでも最初はリシアと決めていた自分にとっては多少の不安もありましたよ。

そしてティア以外のエンディングを迎えるということは
数多くちりばめられた課題をうやむやにしてヒロインとくっつけるという強引さも感じます。
そのせいか、各ヒロインの個別ルートいうのはあってないようなものだった気も…。
何かもうホントにHするためだけに個別ルートがあったような。

むしろ今回のユースティアについては、
共通ルート、個別ルートという括りはなしにして考えるべきものなんですかね。

そんな感じでシナリオが一本道に集約されていたにも関わらず
カイムの性格がどうにもブレまくっていたような気がするのですが…。

時に思い切りがよかったり、ヘタレだったり、達観していたり、子どもだったり…。
ヒロインごとに別人格が乗り移ったように見えたのは自分だけ?
特に終盤のティアルートなんか今までのカイムとは思えないヘタレっぷり。
まあその分周りのヒロインが余計輝いて見えたという皮肉さもありましたが。

相対するヒロインの性格を維持するあまりカイムの性格がないがしろに…。
一本道のわりには章ごとにリセットされてしまったようにも感じられましたね。

ところで、話はずいぶん変わりますが
処女崇拝の期待を裏切らない点ではオーガストは信頼できますよね。
で、オーガストって同じヒロインの「はじめて」を何度も奪うのが好きなんでしょうか…?
フォアテリの瑛里華にもそんなことがあったりもしましたが、
今回はティアやコレット、ラヴィなどパラレル的にはじめてが何度もありましたね。

処女崇拝って、意味合いとしては処女だったという確証がほしいだけで、
実際の破瓜描写を期待しているわけではないと思うのですが、そう思うのは自分だけ?
何度も繰り返されると逆に冷めてしまうだけのような気もするのですが…。

 

そんなわけで今回はこの辺にして後編に続きます。
後編では個別ルートを含めたヒロイン周りについて語っていきますので。

2011-05-30 (Mon) | COMMENT (0)

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